【休止】テーマ展「幕末大坂の風景-にぎわいと安らぎ-」

大阪城天守閣は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、令和3年4月25日(日)から当面の間、臨時休館することになりました。

これに伴い、3月19日(金)から5月30日(日)の会期で開催しております「テーマ展 幕末大坂の風景-にぎわいと安らぎ-」につきましても、当面の間、休止させていただきます。

 

ご迷惑をおかけし申し訳ございませんが、何卒ご理解賜りますようお願い申しあげます。

なお、当テーマ展の図録は通信頒布およびオンラインショップでご購入いただけますので、ご希望の方はぜひご利用ください。

 

 

大阪城天守閣は、令和3年3月19日(金曜日)から5月30日(日曜日)まで、大阪城天守閣内3階展示室において「テーマ展 幕末大坂の風景―にぎわいと安らぎ―」を開催(令和3年2月5日付け報道発表済み)しますが、このほど展示内容の詳細が決定しましたのでお知らせします。

 

開催概要

 泰平の世が長く続いた江戸時代。特にその後半から幕末にかけ、都市や村落に暮らす庶民を担い手とする文化が大きく花開きました。学問・文芸・信仰・娯楽など、人々は多種多様な文化の恩恵に浴するとともに、時にはみずからが発信者となって、わが国の民間社会の成熟に寄与しました。

 このころ大坂では、出版文化の発達を背景に、さまざまな印刷媒体による風景画が数多く生み出されました。一部の教養人のものだった風景画は誰でも親しめる身近な存在となり、挿絵画家や浮世絵師たちは大衆の心をつかむべく絵筆をふるいました。

 本展では「浪華の賑ひ」「淀川両岸一覧」など、この時期に大坂で生み出された絵入りの名所案内、連作錦絵、一枚刷りの名所図や広告宣伝用の引札(チラシ)などに描かれた数々の風景画を紹介します。風情ある水辺、見どころの多い寺社、活気に満ちた市街、にぎわう娯楽施設、心安らぐ近郊の行楽地など、人々が愛し、人々の暮らしを豊かに彩ったいにしえの大坂の姿をご堪能ください。

 

1.名称          テーマ展 幕末大坂の風景―にぎわいと安らぎ―

2.会期          令和3年3月19日(金曜日)から5月30日(日曜日)まで

3.時間          9時から17時まで ※入館は閉館の30分前まで

4.主催          大阪城天守閣

5.会場          大阪城天守閣3階展示室

                〒540-0002 大阪市中央区大阪城1番1号

                電話:06-6941-3044 ファックス:06-6941-2197

                ホームページ:https://www.osakacastle.net/

6.入館料        大人600円 中学生以下、大阪市在住65歳以上の方(要証明)、

                障がい者手帳等ご持参の方は無料

                (注)このテーマ展は大阪城天守閣の平常入館料でご覧いただけます。

7.出品点数      120点   出品目録(274KB)

8.主要展示品    「主要展示品解説」のとおり

 

※新型コロナウイルス感染予防のため、事業が中止・変更になる可能性や、お客様のご入館をお断りする場合があります。

最新情報はホームページをご覧いただくか、お問合せください。

 

 

■主要展示品解説

1       浪花天保山風景(なにわてんぽうざんふうけい)                             

   4枚続  36.5センチ×93.8センチ

 

 天保2年(1831)から翌年にかけて安治川河口の川ざらえが行われ、これによってすくい取られた土砂を積み上げてできた山は、船の目印になったことから当初「目印山」と呼ばれたが、その後はもっぱら「天保山」の名で定着した。この山は大坂町人たちの格好の憩いの場となり、山や裾野には樹木が植えられ、橋や歩道が設けられ、茶屋や料理屋が営業した。

これは大坂の浮世絵師、初代歌川貞升(さだます)の作品。人々は散策をしたり、舟遊びに興じたり、山頂からの眺望を楽しんだり、茶屋でくつろいだりしている。

 

 

2       菱垣新綿番船川口出帆之図(ひがきしんめんばんせんかわぐちしゅっぱんのず)                  

   3枚続  37.0センチ×76.5センチ

 

 描かれているのは大坂における海運の拠点、川口。中央を流れる安治川の両岸に廻船問屋の蔵が立ち並ぶ。川面に浮かぶ艀船(はしけぶね)には近郊の河内の農村などで収穫された綿(わた)が積まれ、合図とともに一斉に河口へ向かい、画面右上の菱垣廻船に移された。この船を「新綿番船」と呼び、毎年9隻の新綿番船が江戸への一番乗りを競い、大坂と江戸双方で大いに盛り上がった。本品は出発時の熱気を活写したもので、作者は大坂の浮世絵師、歌川芳豊(よしとよ)である。

 

 

3       大坂八軒家(おおさかはちけんや)(『淀川両岸一覧(よどがわりょうがんいちらん) 上り船之部』上)

    1冊の内   表紙17.8センチ×12.1センチ

 

 八軒家は天神橋南詰、天満橋南詰の間に位置する浜で、伏見へ通じる淀川舟運の拠点として栄えた。川船が昼夜のへだてなく発着し、船を降りた客を呼ぶ船宿からの声、乗船をうながす船頭の声、荷物を運ぶ人足たちの掛け声、船客の言い争う声などが一日中絶えなかったという。浜に下りる雁木(がんぎ)(石段)の右、柳の木の近くには幕府の法令を掲示した高札場も描かれる。

 なお雁木を降りたところの水路両脇付近に、本図が描かれたあとの万延元年(1860)に灯篭が設置された。これは現在生國魂(いくくにたま)神社に移されており、現在の八軒家船着場には新たな雁木と灯篭が再現されている。

 『淀川両岸一覧』は、暁鐘成(あかつきのかねなる)の編集・執筆、松川半山の挿絵による、淀川を船で往来する者のためのガイドブック。淀川を航行する三十石船の区間とその先の京都市中までの名所を紹介する。「上り船之部」は大坂から伏見行きの右舷側、「下り船之部」は伏見から大坂行きの右舷側という2部構成である。

 

 

4       今宮戎参(いまみやえびすまい)り(『花暦浪花自慢(はなごよみなにわじまん)』六)         

   1枚    25.2センチ×18.3センチ

 

 大阪市浪速区恵美須西に鎮座する今宮戎神社で、毎年正月9日の宵戎(よいえびす)から11日の残り福まで、3日間にわたって行われる「十日戎(とおかえびす)」の賑わいを描いたもの。

 「十日戎」は「商売繁盛じゃ笹もってこい」のかけ声で知られ、大阪の年頭を飾る風物詩として知られる。参詣者は授与された福笹に小判、米俵、大福帳、打出の小槌、鯛などの吉兆(きっちょう)(小宝(こだから))を付けて、1年間の商売繁昌を願う。

 『摂津名所図会』には、「社頭には米花袋(はせぶくろ)・蜈蚣(むかで)小判・米俵(よねだわら)・白銀包(かねづつみ)等の目出度(めでたき)作物(つくりもの)を多く売るなり。下向(げこう)の輩(ともがら)これを例として買ひ求め、笹の枝に結ひつけて、……笹の枝は家の内に挿(さ)して、富貴繁昌の先表(せんぴょう)とする事風俗(ならわし)とするなり」とあり、既に現在と同じ祭礼形態になっていたことがわかる。

 『花暦浪花自慢』は幕末大坂の浮世絵師・歌川芳豊(よしとよ)が描いた連作錦絵で、上部には大坂の年中行事と花暦(季節ごとの花とその名所)を書き連ねるが、花だけでなく鮎釣り、月見といった季節の風物詩も記されている。下部には、上部の暦と時期がずれる場合が多いが、大坂の代表的な行事の様子が生き生きと描かれている。

 

 

5       ざこば魚市(うおいち)(『滑稽浪花名所(こっけいなにわめいしょ)』)             

   1枚    23.0センチ×16.8センチ

 

 江戸時代初期、東横堀川近くの上魚屋町(現在の安土町・備後町)を拠点としていた生魚商(なまうおしょう)たちは、町の発展にともない混雑する東横堀川周辺での商いを避け、夏季には海辺により近い鷺島(さぎしま)とよばれる地に出張所を設けた。次第にここへ本店を移す問屋が増えていつしか雑喉場(ざこば)と呼ばれるようになり、天和2年(1682)にすべての問屋が移住してくると、ここが大坂で唯一の公認生魚市場となった。ここには瀬戸内や南海道(近畿南部・四国)、遠くは九州の沿岸でとれた魚介類が「いけぶね」で生きたまま(泳がせながら)大坂近海まで運ばれ、新鮮な状態で雑喉場の魚市場に並んだ。

 市場の喧騒を生き生きと描いた本図では、鱧(はも)がのたうちまわり、大きな蛸(たこ)が盛大に墨を吐いたり、人の首に巻き付いたりしている。

 『滑稽浪花名所』は、大坂の名所とそこで繰り広げられる珍事件を組み合わせて描いた連作錦絵で、大坂で活躍した浮世絵師歌川芳豊(よしとよ)と歌川芳梅(よしうめ)の共作。この作品では鯛の箱に作者芳豊の署名がさりげなく見える。

 

 

6       戎橋(えびすばし)(『浪華(なにわ)の賑(にぎわ)ひ』二篇)      

    1冊の内   表紙17.8センチ×12.4センチ

 

 道頓堀に架かる戎橋の名は、ここが今宮戎神社への参道にあたることから名づけられたと推定される。古くは「あやつり橋」と呼ばれ、この名は人々が橋を渡って人形浄瑠璃(にんぎょうじょうるり)の芝居小屋へかよったことに由来する。橋の北側の心斎橋筋は、大坂随一の繁華街。魚類の料理屋や精進(しょうじん)の茶漬け屋、そば屋、すし屋、菓子や日用品を売る店などがたちならび、夜店も出た。詞書(ことばがき)では、「なかんずく食物の店、多き」ことが特筆される。

 『浪華の賑ひ』は、暁鐘成(あかつきのかねなる)が編集・執筆し、松川半山が挿絵を描いた大坂名所ガイドブック。初版は安政2年(1855)刊で全3篇からなる。

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