3階 夏の展示「大坂冬の陣・夏の陣図屏風~豊臣vs徳川 激闘の記憶~」

「大坂冬の陣図屏風(デジタル想定復元)完成記念

夏の展示 大坂冬の陣・夏の陣図屏風~豊臣vs徳川 激闘の記憶~」を開催します。

 

 

 大阪城天守閣と凸版印刷株式会社(以下「凸版印刷」という。)は、令和2年7月23日(木曜日・祝日)から10月7日(水曜日)まで、大阪城天守閣3階展示室において「大坂冬の陣図屏風(デジタル想定復元)完成記念 夏の展示 大坂冬の陣・夏の陣図屏風~豊臣vs徳川 激闘の記憶~」を開催します。

 慶長19年(1614)の大坂冬の陣の様子を描いた大坂冬の陣図屏風については、江戸時代後期の模写本が東京国立博物館に所蔵されるのみで、原本は行方不明になっています。

 そこで、凸版印刷は、歴史・城郭史・美術史・風俗史など、各研究分野の専門家の指導・助言のもと、最新のデジタル技術を駆使し、大坂冬の陣図屏風の復元プロジェクトに取り組みました。昨年、復元された屏風が完成し、令和元年7月27日(土曜日)から9月8日(日曜日)までの間に名古屋市の徳川美術館・名古屋市蓬左(ほうさ)文庫で開催された特別展「合戦図-もののふたちの勇姿を描く―」において展示・初公開され、NHKの『歴史秘話ヒストリア』『英雄たちの選択』でも番組化されるなど、大きな話題となりました。

 

 今回の「夏の展示」では、大阪城天守閣が協力し、凸版印刷が実施した同プロジェクトの成果である大坂冬の陣図屏風(デジタル想定復元)を関西で初めてお披露目し、大阪城天守閣が所蔵する大坂夏の陣図屏風(重要文化財)とともに展示します。

 あわせて大坂冬の陣・夏の陣で活躍した真田幸村(信繁)・後藤又兵衛ら所用の甲冑、豊臣秀頼が自害する4日前の慶長20年(1615)5月4日付で発給した現存最後の文書、大坂夏の陣最後の決戦当日の慶長20年(1615)5月7日付の大野治房の書状など、大坂冬の陣・夏の陣関係資料がずらりと並びます。

 

出品目録_3階(pdf279KB)

 

1.開催概要

1.名称          大坂冬の陣図屏風(デジタル想定復元)完成記念

      夏の展示 大坂冬の陣・夏の陣図屏風~豊臣vs徳川 激闘の記憶~

2.会期          令和2年7月23日(木曜日・祝日)から10月7日(水曜日)まで

3.時間          9時から17時まで

                 (注)入館は閉館の30分前まで

4.主催          大阪城天守閣

5.共催          凸版印刷株式会社

6.会場          大阪城天守閣3階展示室

                 〒540-0002 大阪市中央区大阪城1番1号

                 電話:06-6941-3044 ファックス:06-6941-2197

                 ホームページ:https://www.osakacastle.net/

7.入館料      大人600円 中学生以下、大阪市在住65歳以上の方

      (要証明)、障がい者手帳等ご持参の方は無料

      (注)展示は大阪城天守閣の平常入館料でご覧いただけます。

8.主要展示品  大坂冬の陣図屏風(デジタル想定復元)〈凸版印刷蔵〉

                 大坂冬の陣図屏風(肉筆模写)〈大阪城天守閣蔵〉

       重要文化財 大坂夏の陣図屏風〈大阪城天守閣蔵〉

 

2.主要展示品解説

(1)大坂冬の陣図屏風(デジタル想定復元)  凸版印刷蔵

 東京国立博物館所蔵の大坂冬の陣図屏風を、最新のデジタル技術を駆使して再現し、さらに手作業で金箔や金銀泥を施し、完成させたもの。 

 東京国立博物館所蔵の大坂冬の陣図屏風は、元来、徳川将軍家の御用絵師として活躍した木挽町(こびきちょう)狩野家(かのうけ)に伝来したもので、明治19年(1886)に同家十一代当主の狩野謙柄氏から帝室博物館(現在の東京国立博物館)に寄贈された。当初は未表装であったが、大正14年(1925)に屏風に仕立てられた。もともと十扇分しかなかったため、付属の覚書二冊をばらして右隻第一扇(うせきだいいっせん)と左隻第六扇(させきだいろくせん)に貼り付け、六曲一双(ろっきょくいっそう)とした。

 この東京国立博物館所蔵の大坂冬の陣図屏風は、江戸時代後期の模写本で、大坂冬の陣後あまり時を経ず制作されたと考えられる完成品の行方は不明である。

 構図は北西から大坂城を眺めたもので、惣構堀(そうがまえぼり)を挟んで豊臣・徳川両軍が対峙する。五層の大天守は左隻第三扇上方に聳え、その右下の本丸御殿には豊臣秀頼と淀殿らしき人物が描かれる。左隻第四・五扇上方には豊臣方の木村重成・後藤又兵衛隊が徳川方の上杉景勝・佐竹義宜隊と激突した慶長19年(1614)11月26日の鴫野・今福合戦、右隻第五・六扇上方には12月4日の真田出丸の攻防戦、右隻第六扇から左隻第一扇の下方には豊臣方の塙団右衛門が徳川方の蜂須賀至鎮隊を急襲した12月17日の本町橋の夜討ちが描かれる。

 真田幸村(信繁)の築いた出丸の構造や徳川方の造った築山(つきやま)・仕寄道(しよりみち)、また防弾用の竹束・楯・竹矢来(たけやらい)など、大坂冬の陣の様子が具体的に知られるとともに、戦場に現れた兵士相手の酒屋・煙草屋・煮売屋も描き込むなど、合戦風俗資料としても興味深い内容を持っている。

大坂冬の陣図屏風(デジタル想定復元)展示の様子

 

 

(2)大坂冬の陣図屏風(肉筆模写)  大阪城天守閣蔵

 東京国立博物館所蔵の大坂冬の陣図屏風を、大阪城研究家の故武内勇吉氏が5年の歳月をかけて肉筆模写したもので、平成2年に完成し、大阪市の市制百周年を記念して大阪城天守閣に寄贈された。

 武内氏は、東京国立博物館所蔵の大坂冬の陣図屏風の各扇の原寸大写真を透写して下絵とし、カラー写真をもとに徐々に仕上げていき、最後に原本と照合して補正を加えて完成させた。肉筆ならではの鮮明さと独特の画調がよく再現され、作品として高い評価を受けている。

大坂冬の陣図屏風(肉筆模写)(右隻)

 

大坂冬の陣図屏風(肉筆模写)(左隻)

 

 

(3)重要文化財 大坂夏の陣図屏風  大阪城天守閣蔵

 大坂夏の陣最後の決戦となった慶長20年(1615)5月7日の模様を描いた屏風絵で、右隻には豊臣・徳川両軍の激突が、左隻には落城時の混乱や敗残兵・避難民の様子が生々しく描かれ、我が国に数ある合戦図屏風の中でも最高傑作との評価を受け、国の重要文化財に指定されている。

 大坂夏の陣に徳川方として参戦した筑前福岡藩主黒田長政が戦勝記念に描かせたと伝え、同家に伝来したことから「黒田屏風」の別名でも呼ばれる。制作にあたった絵師として「八郎兵衛」(『黒田家重宝故実』)や「久左衛門」(『竹森家伝』)といった名前が伝えられるが、その作風から岩佐又兵衛(1578~1650)を想定する見解も出されている。

 画面には5,071人もの人物が描かれるが、そのうち、徳川方は徳川家康・秀忠をはじめ、黒田長政を含む16将、豊臣方は真田幸村(信繁)ら5将が特定できる。

 右第1扇中央やや下には前線から戻った使番(伝令)からの報告を受ける大御所徳川家康、同じ右隻第1扇の上部には豊臣方武将の首実検を行なう将軍徳川秀忠が描かれ、右隻第3扇中央には鹿角脇立兜(かづのわきだてかぶと)を被って馬に乗り長柄の槍を振るって奮戦する徳川方の本多忠朝、右隻第3・4扇中央には茶臼山に陣取る赤備えの真田幸村隊が描かれる。真田幸村隊と激突するのは徳川家康の孫で、越前藩主の松平忠直隊。松平忠直隊はこの日大坂城一番乗りを果たし、徳川方随一の3,750もの首を挙げた。真田幸村隊から四天王寺西門の石鳥居(いしどりい)を挟んで上方に描かれるのは豊臣方の毛利勝永隊。真田幸村隊の後方に大野治長隊、さらに後方には豊臣秀頼本陣が描かれ、秀吉以来の金瓢の馬印が掲げられるが、そこに秀頼の姿はなかった。

 なお、右隻第6扇上方には5層の大天守が描かれるが、昭和6年に復興された現在の大阪城天守閣の外観は、これがもとになっている。

重要文化財 大坂夏の陣図屏風(右隻)

 

重要文化財 大坂夏の陣屏風(左隻)

 

3.大坂冬の陣図屏風復元プロジェクトについて

 凸版印刷は、これまでに培った文化財のデジタル復元の知見を活かし、六曲一双屛風のデジタル彩色プロセスを構築しました。専門家による学術的調査と監修を得ながら模本を読み解くことで、浮かび上がる姿を想定し、デジタルによる彩色と手作業による仕上げによって復元図が完成しました。

 

<凸版印刷のデジタル復元について>

 凸版印刷は、国内外の貴重な文化財を後世に継承するために実物のデジタルアーカイブや消失文化財のデジタル再現に取り組んでいます。これまで、帝国ホテル旧本館ライト館や江戸城天守のVR再現、画布の半分が欠損したクロード・モネ作「睡蓮・柳の反映」(国立西洋美術館所蔵)のデジタル復元を行っています。

 

「大坂冬の陣図屛風」デジタル想定復元

制作・著作: 凸版印刷株式会社

監修: 千田 嘉博(奈良大学文学部教授)、東京藝術大学、徳川美術館、

佐多 芳彦(立正大学文学部教授)

協力: 大阪城天守閣、京都市立芸術大学芸術資料館、東京国立博物館

※JSPS科研費JP17102001(立正大学)の助成を受けた研究成果を活用しています。

 

 

4.その他展示情報

夏の展示と同時期に、下記のとおり企画展示を開催します。

(1)名称        企画展示 秀吉 天下人への足どり ―資料と写真でたどる―

(2)会期        令和2年7月22日(水曜日)から10月8日(木曜日)まで

(3)時間        9時から17時まで

                 (注)入館は閉館の30分前まで

(4)主催        大阪城天守閣

(5)会場        大阪城天守閣4階展示室

(6)主な展示品   錦絵 清州城普請の図 歌川国芳画

 

革包伊予札菱綴二枚胴具足(かわづつみいよざねひしとじにまいどうぐそく)(伝 仙石秀久所用)

 

 

5.問合せ先

■展覧会に関する問合せ、取材申込み

大阪城天守閣 広報・企画担当(青木・米倉・山下)

【電話】06-6941-3044

■「大坂冬の陣図屏風」デジタル想定復元に関する問合せ

凸版印刷株式会社 広報本部

【電話】03-3835-5636

 

 

開催日時 令和2年7月23日(木・祝)~10月7日(水)
開催場所 大阪城天守閣 3階展示室

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